| 生研センター プレスリリース |
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平成17年6月20日
独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構
生物系特定産業技術研究支援センター
(財)大阪バイオサイエンス研究所.......
カフェインの覚醒効果を分子レベルで立証
―カフェインの覚醒効果を左右するのはアデノシンA2A受容体―
【要約】
独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)が「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」(プログラムディレクター桂直樹理事)の一環として実施している研究課題「自然な睡眠覚醒調節作用を持つ天然素材の探索に関する研究」において、(財)大阪バイオサイエンス研究所研究部長裏出良博らの研究チームは、カフェインの覚醒作用がアデノシンA2A受容体により調節されていることを明らかにした。
コーヒー・緑茶・紅茶に含まれるカフェインが睡眠覚醒を促すことは古くから良く知られている。しかしカフェインにより引き起こされる覚醒に関与する受容体は特定されていなかった。研究チームは、カフェインの投与(5,10,15 mg/kg)により、野生型マウスでは覚醒が起こるが、アデノシンA2A受容体の遺伝子欠損マウスでは覚醒が起こらないことを証明した。これらの結果はカフェインにより増幅された覚醒にはアデノシンA2A受容体が関与することを示している。
この研究成果は、科学的根拠に基づいた新たな睡眠障害の治療法や自然な覚醒や睡眠を誘う副作用のない飲食料品や眠気防止薬などの医薬品開発にも繋がることが期待される。
本研究成果の詳細は6月20日、米国の科学雑誌「Nature Neuroscience」オンライン版で発表される。雑誌掲載は7月号の予定。
【論文題目】
Adenosine A2A, but not A1, receptors mediate the arousal effect of caffeine
(Nature Neuroscience 7月1日発刊号)
「カフェインの覚醒効果に関与するのはアデノシンA1ではなくA2A受容体である」【問合わせ先】
[研究代表者](研究課題「自然な睡眠覚醒調節作用を持つ天然素材の探索に関する研究」)所属 (財)大阪バイオサイエンス研究所[基礎研究推進事業・担当者]
氏名 裏出良博(不在の場合の問い合わせ先:黄(ホアン)志力)
住所 〒565-0874大阪府吹田市古江台6-2-4
Tel: 06-6872-4851 Fax: 06-6872-2841
E-mail: uradey@obi.or.jp
独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構
生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)
新技術開発部 基礎研究課 新納正之 山口俊弘 細田敏昭
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【成果の概要】
カフェインはコーヒー・緑茶・紅茶などの成分であり、疲労を解消し覚醒を増強する。カフェインはアデノシンA1受容体およびアデノシンA2A受容体に対して同等の結合親和性を持って、それらの作用を阻害する。これらの受容体はいずれも睡眠覚醒の制御に関与すると考えられているが、どちらの受容体がカフェインの覚醒作用をもたらすのか議論が続いていた。今回同チームは、A1受容体 ないしA2A受容体の欠如がカフェインの覚醒作用にどのように影響するかを解明するために、これら受容体の遺伝子欠損マウスを利用した。野生型マウスおよびA1受容体遺伝子欠損マウスに対して、午前9時(睡眠期)にカフェインを5、10、15mg/kg腹腔内投与すると、投与後3時間の覚醒時間は用量依存的に増加した。これに対し、カフェインはA2A受容体遺伝子欠損マウスの覚醒時間に全く変化を与えなかった(図1,図2)。
以上の結果は、カフェインの覚醒作用がアデノシンA2A受容体により調節されていることを示している
【用語説明】
カフェイン:
アルカロイドの一種。プリン環を持つプリンアルカロイドの一種で、コーヒー類に含まれることから、この名がある。化学名は、1.3.7-トリメチルキサンチン(C8H10N4O2)。
コーヒー、緑茶、紅茶、コーラ、ガラナ、ココアなどに含まれる(量は緑茶が一番多い)。結晶は一水和物(C8H10N4O2•H2O)もしくは無水物(無水カフェイン,C8H10N 4O2)として得られる。白色の針状または六角柱状結晶で匂いはなく、味は苦い。融点は238℃。昇華性がある。
1819年(一説には1820年)にドイツのフリードリヒ・ルンゲによってコーヒーから単離された。分析化学者であったルンゲに、コーヒーの薬理活性成分の分離を勧めたのはゲーテであったと伝えられている。 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用
アデノシン:
アデノシン (Adenosine) はアデニンとリボースからなるヌクレオシドの一つ。アデニンとリボースは β-N9-グリコシド結合している。アデノシンは生体内で重要な役割をになっている。DNA や RNA の塩基として遺伝情報のコードに用いられている他、生化学過程でもATPやADPの一部としてエネルギー輸送に関わったり、環状AMPとしてシグナル伝達に関わったりする。脳内では、睡眠物質として作用する。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用