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プレスリリース


平成21年12月1日

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)

キャベツ収穫機を開発中
−加工・業務用キャベツの高能率収穫作業を提案−

 ポイント
  • 新開発の刈取機構により、1行程で2条同時に一斉収穫
  • 調製選別作業を別工程で加工・業務用キャベツを高能率に収穫

概 要
 独)農研機構【理事長 堀江 武】生研センターでは、需要が伸びている加工・業務用キャベツの大規模低コスト生産を支援するため、キャベツ収穫を高能率に行う収穫機を、マメトラ農機(株)と共同で開発中です。従来の慣行手取りでは多くの収穫作業時間を要し、担い手の高齢化や労力不足と相まって、大規模畑作地帯へのキャベツ作の導入は困難でしたが、調製選別を別工程とし、また1行程で2条同時に収穫する刈取機構を新たに開発して、高能率で収穫できるようになりました。  現在、市販化に向け、現地への適応性調査を含めて改良を行っています。

予 算: 運営費交付金(農業機械等緊急開発事業)
共同研究企業:マメトラ農機(株)
協力機関:北海道農業研究センター
特 許: 特開2009-005636、特開2009-247310、特開2009-247311
問い合わせ先など
研究推進責任者:生研センター園芸工学研究部 部長 金光幹雄
研究担当者:生研センター園芸工学研究部
野菜収穫工学研究単位 宮崎昌宏 TEL 048-654-7086
広報担当者:生研センター企画部
研究調整役  西村 洋 TEL 048-654-7026
FAX 048-654-7130
プレス用e-mail:iam-koho@ml.affrc.go.jp
開発の背景と経緯
  1. 主要野菜であるキャベツの加工・業務仕向け割合は約5割に達しており、低コスト生産及び安定供給できる産地の育成が求められています。
  2. 近年、北海道畑作地帯を中心に、土地利用型作物の輪作体系の中に、加工・業務仕向け用途も視野に入れた大規模なキャベツ作を取り入れ、経営の安定化や高収益化を図り、輪作体系を維持したいという産地や農家グループの動きが拡大しつつあります。
  3. これまでに1条用のキャベツ収穫機を開発実用化してきましたが、上記のような産地からは、調製・選別作業を別工程で行う新たな作業体系の確立と高能率に収穫作業を行うことができる新たなキャベツ収穫機の開発が強く求められています。
  4. そこで、平成20年度から、加工・業務用キャベツの能率的な収穫が行えるよう1行程で2条同時に刈り取れる刈取部の開発に着手しました。平成20年度は、新たな刈取機構を組み込んだ1号機を試作し、生研センターの附属農場で加工・業務用に適した寒玉系品種のYR冬系609を供試して性能試験を行いました。
  5. その結果を踏まえて、平成21年度は、刈高さ調整機構の改良などを行い、静岡県農林技術研究所、北海道JA鹿追町で現地試験を行いました。
加工・業務用キャベツ収穫機の概要
  1. 2条同時にキャベツを刈取り、機体側方を伴走するトレーラー上の容量1m3のコンテナへキャベツを収容し、ほ場外へ搬出できます。
  2. キャベツを両側面から挟持ベルトで固定し、2枚刃で茎を切断した後、同ベルトで後方の搬送コンベヤへ送ります。キャベツをしっかり固定して切取りますので高速でも高い茎の切断能力を発揮します。JA鹿追町の農家での試験結果では、損傷なく刈取れたキャベツは全体の86%でした。
  3. 畝幅60p、畝高さ10cm程度の栽培様式に適応し、結球部2kgの大玉キャベツを、作業速度0.27m/s程度で収穫でき、能率は40a/日(慣行の約4倍)に達します。
今後の予定・期待
 今後、様々な条件のほ場で収穫試験を継続して収穫能率のデータを蓄積しながら、作業精度や取扱性等の向上を図り平成23年度の実用化を目指します。
用語の解説
 加工・業務用キャベツ
  加熱調理用、カット用を中心に寒玉系品種で、加工歩留まりを高めるために6玉程度/10kg(1.5〜2.0s/玉)の大玉が求められています。
図1 加工・業務用キャベツ収穫機の収穫風景

図2 刈取部

図3 ハンドリング方法