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プレスリリース


平成21年11月4日

独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)

新機構のパックでイチゴを守る
−果柄把持方式で損傷を軽減−

 ポイント
  • 長距離輸送に適したパック形態
  • パック詰め作業の省力化が可能
  • 果柄把持パックとパック詰装置を開発中

概 要
 (独)農研機構【理事長 堀江 武】生研センターでは、イチゴの品質保持とパック詰め作業の省力化を目的として、「イチゴの選別包装・品質保持技術の開発」を行っています。従来の段詰めあるいは平詰めパックと異なり、果柄を把持する機能を持った新たな果柄把持パックを考案しました。このパックは果実同士が接触することが無く、また、損傷しやすい果肉部分が包装容器に触れないため、損傷等の品質低下が軽減されます。さらに、専用のパック詰装置も同時に開発しており、パック詰め作業の省力化が期待されます。

予 算: 運営費交付金(基礎基盤研究)
特 許: 特開2009-190763「果実保持部材」
問い合わせ先など
研究推進責任者:生研センター園芸工学研究部 部長 金光幹雄
研究担当者:生研センター園芸工学研究部
園芸調製貯蔵工学研究単位 大森定夫 TEL 048-654-7089
広報担当者:生研センター企画部
研究調整役  西村 洋 TEL 048-654-7026
FAX 048-654-7130
プレス用e-mail:iam-koho@ml.affrc.go.jp
(開発の社会的)背景
  1. イチゴ生産の全労働時間は10aあたり約2000時間であり、他の品目に比較して多くの労力を要しています。特に、収穫作業と選別・パック詰め作業は全体の約60%を占めており、機械化の要望が強く出されています。
  2. 産地では、良食味イチゴの品種が導入される傾向にありますが、果肉が軟らかく傷つきやすく、さらに、出荷先が海外を含めてより遠隔地になっていることから、輸送中に損傷等が生じにくいパックが要望されています。
(研究の)経緯
  1. イチゴ果実の着色度及び部位と果肉硬さの関係や、作用する荷重と品質変化の関係等の基礎データを得ました。
  2. 慣行段詰めパックでは、下段の果実に上段の果実の荷重が作用して生じた損傷のほか、果実同士やパック面、フィルムとの接触による損傷が確認されました。
(研究の)内容・意義
  1. 損傷が生じにくく、また、パック詰め作業を機械化しやすくするために、果柄(つる)を付けた状態で収穫し、1果ずつ果柄を把持して収容できる容器(以下、個別容器)と、出荷用の果柄把持パック(6個詰)を考案しました。この果柄把持パックは、慣行パックに比較して損傷が少なくなることを確認しました。
  2. 新たなパックによる作業を省力化するために、個別容器から果実を取り出し、果柄把持トレイに挿入してフタをかぶせる、自動パック詰装置を開発しています。
  3. 開発中のパック詰装置は、1パックあたり約1分でパック詰め作業が行え、従来のパック詰め作業時間を約1/2に省力化できる見通しが得られました。
今後の予定・期待
  1. 果柄把持トレイの把持力をさらに十分なものとするため、把持力向上の改良を進めています。
  2. 果柄把持パックにより、輸出などの長距離輸送時に生じていた損傷による品質低下を改善することが可能になり、また、選別やパック詰め作業の省力化も期待されます。
用語の解説
  1. 果柄把持パックとは、果柄を把持する機能を有した果柄把持トレイと、そのフタを組み合わせたものをいう(図1の右参照)。
  2. 個別容器とは、収穫したイチゴの果柄を把持して1個ずつ収容し、パック詰装置に供給できるようにした容器をいう(図1の左参照)。
図1 考案した果柄を把持する新たなパック

図2 開発中のイチゴのパック詰装置